狂犬病
人が発症すると、ほぼ100%死に至るという非常に恐ろしい感染症で、犬や猫も含めて現在の日本で最も重要視されている人獣共通感染症です。多くの種類の動物が輸入されている現在では日本国内でもいつ再発生するかわかならい状況です。世界保健機関(WHO)によると、全世界で毎年3万5千人〜5万人が狂犬病によって死亡しているとの報告があります。
北海道では狂犬病予防対策として、2003年4月より、道内の港に入港するロシア船から上陸する犬(ロシア犬)の監視事業を国と共同で実施することにしました。隣国の韓国でも撲滅したはずの狂犬病により1999年に人の死亡例が報告されています。
狂犬病ウイルスに感染した動物に咬まれたり感染動物に傷口やその周辺をなめられたりして、感染動物の唾液が粘膜について感染します。
狂犬病ウイルスが脳に達したとき咬まれた傷口周辺のかゆみ、疼痛、頭痛、発熱などが現れます。体内に侵入したウイルスは見当識障害、幻覚、マヒなどを発生、水を飲む際、咽頭部に激しい痛みをともなった痙攣(恐水病)や顔に風が当たっただけで痙攣(恐風病)を起こすこともあります。やがて麻痺がおき、さらに昏睡状態に入り、呼吸麻痺によって死に至ります。
日本では1957年以降、狂犬病の発生は無く2006年まで日本で発症した事例は3件で、いずれも海外での感染です。 狂犬病を撲滅させるため我が国では法律を制定し、犬の登録と年1回の予防接種、放し飼いの禁止、しています。狂犬病予防ワクチンも年々改良が加えられ副作用の心配もありませんので、毎年、予防注射は必ず接種しましょう