エキノコックス症
エキノコックスは多包条虫といわれる主にキツネに寄生するサナダムシの仲間です。キツネや犬はこの多包条虫に寄生されてもほとんど症状には出ることはありませんが人に感染すると重い肝機能障害を起こします。
多包条虫の卵を人間が食物や水を介してロに入れたり飲み込んでしまうと、腸の中で孵化して肝臓や肺などで包虫を作りこれらの臓器を侵したり圧迫させて機能不全を引き起こします。感染率は他の病気に比べ高くありませんが、感染してから自覚症状が出るまでに数年から10数年かかることもあり、気がつかないうちに悪化してしまうことが多い病気です。
エキノコックス症に感染しても、5〜10年は無症状で自覚症状は出ません。その後、嚢胞が大きくなるにつれて、肝臓内の胆管や血管が塞がれ、肝機能障害が進み末期には重度の肝機能不全となり、発育中の嚢胞の一部が破れ、多包虫が血流に乗って肺や脳、骨髄など、さまざまな臓器に転移します。 放置すると90%以上が死亡するといわれています。
エキノコックス症への予防法は、安易に野生動物(特にキタキツネ)には触らない、触ってしまった後は手を洗う、生水や山菜・果実などをそのままロにしない、などエキノコックスの卵が口に入らないようにする注意が必要です。