あいうえお経済
省エネを考えた住まいのリフォーム

断熱材、遮熱材の種類

『遮熱』と『断熱』は似ていますが意味が違います。熱の伝わり方には伝導・対流・輻射(ふくしゃ)の3種類があります。

伝導とは温度の異なる二つの物体の接触面が温度を伝えあって、互いに同じ温度になろうとする性質です。熱い物に触れて感じるのは接触によって熱が伝導するからです。

対流とは空気の温度が不均一のため空気の流動が生ずる現象で、空気の流動によって物体は熱を受け取ることができます。ストーブ等で部屋が暖まるのはこの対流によります。

輻射とは暖められた物体は遠赤外線を放射します。それを吸収して物体が熱を受け取ることを言います。太陽と地球の間はほとんど真空で空気は無く対流は起りません。太陽と地球は接触もしてませんから伝導もありません。太陽の熱で暖められるのは輻射熱を受けているからです。

一般に熱の伝わる割合は 対流 15%、伝導 10%、輻射 75%といわれています。熱が移動する時には輻射の持つ割合が大きいことを考慮しなくてはなりません。

単に厚い断熱材(伝導を断ち切る)を使って内壁と外壁の間をさえぎっただけでは輻射による外壁から内壁に伝わる熱は防ぐ事が出来ないのです。2階やロフトルームにはこのことを十分に対策をすべきです。

家にたとえると、『伝導』を防ぐ為に熱が伝わって逃げにくい素材として断熱材を使います。『輻射』を防ぐため遮熱材を使い夏場には外気の温度を遮断して室温の上昇を防ぎ、冬場には室内の温度が外部に逃げて下降するのを防ぐのです。アルミ箔を貼り付けているのはこのためですが『遮熱』の重要性について見直すべきです。

無機繊維断熱材

ロックウール・グラスウールなど鉱石やガラス原料を溶かして繊維化したもので、断熱材の中でもっとも多く使用されている、ただし湿気を通しやすいので、防湿することが必要です。

発泡プラスチック断熱材

ポリスチレンフォーム板は、一つ一つの粒の中に気泡構造を持ったポリスチレンという断熱建材を板状に発泡成型したもの、薄くても高い断熱効果があり、外側に貼り付ける工法に適し、主に外壁などで使用されます。

発泡ウレタンは断熱材の中でもっとも優れた性能を持っている、熱伝導率が極めて低いガスを含み施工現場で直接吹き付けて使用するので、貼り付け工法や充填工法では難しい狭い場所でもすきまなく施工することができます。

木質繊維断熱材

セルロースファイバーなどは、木材を主原料とした木質繊維系の断熱材です。繊維と繊維の間の空気層が熱を遮断するほか、吸放湿性があります。施工現場で直接吹き込む工法に適しています。

動物性繊維断熱材

ウールは、その表面においては水をはじくすぐれた撥水性を持ち、内部は調湿機能のなる親水性を持つという極めてユニークな性質を持っています。

ウール繊維には、空気を閉じ込める小さな空間があり、周囲の湿度が高くなれば吸湿し、周囲の湿度が低くなれば放湿します。そのうえ発火しにくく延焼しずらい性質が評価され、ボーイングの飛行機、新幹線の内装材にも使われています。

また化学物質をしかりと吸着し空気を浄化し一回吸着すると再放出しないのが特徴です。30年以上も室内浄化能力が維持することが確かめられています。

遮熱塗料系

遮熱塗料とは、可視光・赤外波長域に高い反射率を示す無機酸化物を用いた、熱を反射する特殊セラミックによる熱反射効果と、中空構造を持つ断熱性を持つ特殊セラミックによる断熱効果で日射・気温差を二重に遮り、熱が侵入するのを低減させる塗料です。 塗料には、特定の色を多く反射するものがあり、熱線である赤外線を多く反射するメカニズムを利用した塗料を使用します。